ダイエットでしてはいけないこととは?
人間は何故太るのか?の項で述べた、「下剤ダイエット」は明らかに決してやってはいけない間違ったダイエット法ですが、一般にダイエットの常識として流布し、実践されている方もいるダイエット法にも、科学的な根拠の乏しいものや、実践の方法を間違えている場合が多いものがあります。
このページでは、そのようなダイエットの間違った常識について考えていきます。
極端な減食
多くの人がダイエットとしてまず考えるのが、食事の量を減らすということです。
もちろん、過食の人が適正な量の食事を摂取するようコントロールするのは間違いではありません。
ただし、痩せたい!という思いが強すぎるのか、何日も絶食したりするなど、極端に食事の量を減らす人がいますが、これは絶対にやってはいけないダイエット法です。
食事を極端に減らすと、最初のうちは当然体重が減少します。
でもその食生活を続けているうちに、人のカラダは少ないエネルギー摂取でもなんとかその環境に順応しようと、代謝を抑えたり、エネルギー消費を減少させたりなどして、生命を維持させようと努めるのです。
このように代謝の活性が抑えられた状態でいるときに、ダイエットに成功した!と普通の食生活に戻したとします。
少ないエネルギーで何とか維持していた体に、いきなり通常量のエネルギーが摂り入れられれば、人間の体は、以前のペースよりもずっと早く脂肪の蓄積を始めてしまいます。
下手をすれば以前の太っていた時の体重よりもさらに太ることにもなってしまうのです。これがいわゆる“リバウンド”という現象です。
一品ダイエット
極端なダイエットのひとつに、何か一品だけを食べ続けるというのがあります。
例えばりんごダイエット。
確かにリンゴは栄養素が高い健康食品ではありますが、こればかりを食べ続けると、必須アミノ酸やタンパク質が欠乏したアンバランスで不健康な体の状態になってしまうだけなのです。
その後に通常食に戻せば、絶食などと同様のプロセスでリバウンドすることになります。
一品ダイエットでダイエットに成功することはまずありませんので、適正な量のバランスの良い食生活を心がけるようにしてください。
油抜きダイエット
油は脂肪ですので、極力油を摂取しないようにすれば痩せると思いがちですが、これも健康をそこなうダイエット法です。
人間の体にとって健康を維持するためには脂質はとても大切です。
脂質は人間の各臓器を正常に働かせる機能があることも知られており、また、適正な量の脂肪を摂取すれば、血糖値も下がり、ダイエットの敵である空腹感も抑えてくれるのです。
油が多いと肉食を敬遠する人も多いですが、適正な量を摂取している限り、肉は太る原因にはならず、そればかりか良質なタンパク質を摂取できるので、健康維持のために大変有効な食材なのです。(でも決して食べ過ぎないように)
小分けにして食べる。
食事を小分けにして、少しずつ食べるというダイエット法があります。
この方法は少しずつ長時間かけてエネルギー摂取を行うので、一見痩せそうに見えますがダイエットには逆効果になります。
少量ずつの摂取でも、常にある程度の量が胃の中にあることになり、脳の視床下部にある満腹中枢の機能が破綻してしまうのです。
このような状態になると、摂食障害などを誘発することにもなり、心身の健康を損なってしまいます。
低炭水化物ダイエット
炭水化物を摂取すると、消化吸収のプロセスにおいて、グリコーゲンとなり体内に貯蔵されることになります。
このグリコーゲンが運動などによって適正に燃焼すれば太ることはないのですが、燃焼しきれないほどの炭水化物を摂取すれば当然太ることになります。
ですので、炭水化物の摂取を極端に減らそうというのが低炭水化物ダイエットです。
何か一見正しいように見えますが、ここにも少し問題があるんです。
炭水化物は白米やパン、パスタなどに多く含まれていますが、これらの食品の摂取を制限してしまうと、人間の体に必要な栄養素が十分に摂れなくなってしまう可能性があります。
また、炭水化物さえ摂取しなければ、他は何でも食べても良いと脂質摂取の多い食生活になる傾向が強くなるといわれているんです。
何事もバランスが大事です。
炭水化物を減らすなら、脂質の取りすぎに注意すると同時に、果物や野菜、食物繊維を十分に摂取することを心がけるようにしなければなりません。