高血圧症の症状

高血圧症の症状は人によって様々だと言われます。症状を全く感じない人もいれば、のぼせ火照り、或いは、体がふらつくなどの症状を訴える方もいます。

 

このページでは高血圧の症状と、高血圧と診断されるに至った経緯や兆候などを具体例を示しながら説明します。

 

A夫さんの場合:
A夫さんは40歳で自営業を営んでいます。学生時代はラグビー選手として活躍していたこともあり、体力や健康には絶対的な自信を持っていたそうです。
そのせいかあまり定期健診などを受けたこともなく、自分の血圧がどのくらいかなど全然関心が無かったそうですが、40歳を過ぎたこともあり、奥さんの勧めで半日コースの人間ドックを受けてみたところ、血液検査等はどの項目もほぼ正常値でしたが、血圧は上が160mmHgで下が110mmHgだったそうです。
A夫さんは普段から高血圧の症状など全く無かったこともあって、かなりショックを受けたそうですが、その検査結果を受けて、近くの医院で改めて診てもらったところ、やはり血圧は正常値より高く、高血圧症と診断されました。
A夫さんは、中肉中背でしたが、酒好きでタバコも吸い、食事も濃い味のものが好きだったとの事で、医師からは投薬治療より、まず、食生活や嗜好を見直すことを勧められ、アルコール摂取とタバコを控えることと、そして減塩に努めることにしたそうです。

 

この方のように、普段から健康に自身があり、高血圧の症状が全くない場合でも、高血圧は徐々に進行していくものです。特にアルコールを飲まれる方は、濃い味付けの食生活をされていることが多いので注意が必要です。喫煙は血管を収縮させますので高血圧を促進させることは言うまでもありません。アルコール、タバコ、過剰な塩分摂取。この3つに心当たりがある方は、常日頃から自分の血圧を把握するよう心がけてください。

 

B子さんの場合:
B子さんは、51歳の専業主婦の方です。日頃より健康には留意されており、自宅で血圧を測り、多少血圧が高いことを認識されていましたので、食塩の摂取にも気を配っていたそうです。
ここ最近、数年来介護していた義母を亡くしたり、大学生の息子の就職が上手くいかなかったりして、心身ともに疲れを感じていたところ、ある日の朝突然めまいに襲われて立っていられないような状態になったそうです。
すぐに救急車を呼んで病院にて検査をしたところ、頭部のMRIや心電図には異常は無かったものの、最高血圧が200近くにも上っていたそうです。
その後、近所のかかりつけ医で高血圧症と診断を受け、降圧剤による投薬治療を始めたそうです。医師の話によれば、長年のストレスと過労が引き金になって、急激な血圧の上昇を引き起こしたとのこと。

 

頭ののぼせ感頭痛めまいふらつき耳鳴りなどの神経症状は、高血圧でも起こります。さらに酷い高血圧では、動悸呼吸困難なども従うため早急の処置が必要になることもあります。また、ストレス過労の蓄積は、高血圧症を発祥する最大原因でもあります。ストレスを受けると交感神経が過剰に反応し血圧は簡単に上昇します。また、疲れが溜まると体はある種の機能不全を起こしてしまい、普段から血圧の高めの方にはかなりのリスクとなるのです。

 

C男さんの場合:
C男さんは、20歳の大学生です。せきと高熱が出たため、近所の医院で診てもらったところ、インフルエンザと診断を受けましたが、その際に血圧も高いと言われたそうです。
インフルエンザが治癒したあと、再度同じ医院で診察を受け、やはり血圧が高く、最高血圧が150mmHg、最低血圧は110mmHg以上あったそうです。
総合病院を紹介され精密検査を受けましたが、他の器質的な異常が見つからなかったため、本態性高血圧と診断を受けたそうです。
ただ、自宅で血圧を計った際には、血圧は正常値であったことを医師に伝えたところ、24時間の血圧計をつけて丸一日分の血圧を測定してみようということになったとのこと。
その結果は極正常な血圧変化で全く問題は無かったそうです。ただやはり病院で血圧を測るとかなり高い血圧となることから、最終的には、“白衣高血圧”という診断になったとのこと。
つまり、病院で医師や看護師の白衣(最近は白衣でないところも多いですが。)を見ると、緊張と不安で脈拍と血圧が上昇していたとのことで、特に治療に必要はないという結果になったそうです。

 

白衣高血圧は、特にレアなケースではなくて、心因反応の強い人ではよくある現象です。これは、病院という特殊で非日常的な環境に置かれた場合に、緊張感不安感から交感神経が極端に反応し血圧が上昇するという症状です。誰でも緊張や不安を強いられる環境に置かれれば、脈拍と血圧は上昇するのが普通です。その原因環境を取り除けば正常な血圧に戻りますので、特に心配の必要はありません。

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