自律神経失調症の症状とは?

 

では、自律神経失調症の症状とはどのようなものでしょうか?このページでは、その症状や症例を分かりやすく解説していきたいと思います。

 

自律神経失調症の症状

 

自律神経失調症の症状は多岐に渡ります。

 

・全身の倦怠感・頭痛・めまい・ふらつき・耳鳴り・しびれ・多汗・ふるえ・吐き気・動悸・息切れ・血圧の異常・胃腸の不調・微熱・のどの渇き等の身体症状

 

・不安・いらつき・ヒステリー・情緒不安・恐怖・抑うつ感
・過敏・妄想等の精神症状。

 

ここで注意したいのは、身体症状の場合は、まず器質的疾患の有無を徹底して検査することが重要です。その結果、特に器質的な異常が見られない場合に初めて自律神経失調症という診断になるということです。また、精神症状の場合は、神経症心身症仮面うつ病等の精神疾患の場合もあるので、こちらも精査が必要です。

 

次に症例を見ていきましょう。

A子さんの場合:
A子さんが体の変調を感じ始めたのは、ちょうど現役での大学受験に失敗し、浪人生活に入った頃だったそうです。
一応予備校に通っていたものの、夜遅くまでの勉強で睡眠時間は短くなり、生活時間にも変化が生じていました。
その頃から日中に酷い眠気と体のだるさを感じるようになり、立ちくらみや動悸の症状も出てきたので、心配する母親の勧めで病院で検査を受けたのですが、特に異常は見られなかったそうです。
ただ同様の症状がその後も続き、精神的にも不安を訴えるようになったため、心療内科を受診し、処方された抗不安薬を飲みながら、なんとか受験勉強を続けたそうです。
その甲斐あって志望の大学に合格し、学生生活を送るようになってからは徐々に症状もなくなり、健康を取り戻したそうです。

 

自律神経失調症の原因の項でも述べたように、生活時間の乱れはこの病気を誘発します。特に深夜までの勉強は、交感神経を刺激した状態が続くため注意が必要です。身体症状が長く続くとそれが因で精神不安を引き起こすことが多く、ただでさえ、不安な浪人生活では症状を悪化させることにもなります。めまいふらつき耳鳴りなどの神経症状が出たときは、早めに病院を受診することが大切です。

 

B男さんの場合:
諸事情から地方都市への単身赴任となったB男さんは、新しい職場と不慣れな単身での生活になかなか馴染むことが出来ませんでした。
以前は営業マンとして外回りを中心とした仕事だったのですが、今度の職場ではデスクワークが中心と180度違った仕事内容なうえ、家事全般も一人でこなさなければならなくなったので、“頭がパニック状態”になったそうです。
症状が出始めたのは赴任して1ヶ月を過ぎた頃。まず、眠れなくなり、次に胃腸の不調が継続するようになったとのこと。
病院の総合内科を受診し、精密検査を行ったのですが、特に器質的な異常は見つからず、診断は神経性胃炎と過敏性腸症候群の疑いだったそうです。
投薬治療を施した結果、胃炎は回復したものの、腸の不調はなかなか治癒しなかったため、主治医の勧めで心療内科を受診したところ、自律神経失調症の疑いがあるため、抗不安薬での投薬治療に加え自律訓練法の実践を勧められたそうです。

 

生活環境の激変は大きなストレス要因となります。この方の場合も仕事+単身生活と二重の環境変化が生じたため、自律神経のバランスを崩すことになったようです。不眠胃腸の不調は典型的なストレス症状ですが、不眠はうつ病神経症などの精神疾患の初期症状の場合もあるので、専門医の診断を受けることをお勧めします。

 

C子さんの場合:
結婚生活10年目にして、待望の赤ちゃんを授かったC子さんでしたが、出産後数日経ったころから、心身の不調を訴えるようになりました。
不安感や抑うつ感などの精神症状とめまいや急な火照りや多汗などの身体症状が見られ、主治医からは、いわゆる“マタニティブルー”の症状と説明されていたそうです。
しかし、ひと月を過ぎても症状が治まらないため、専門医の診断を仰いだところ、出産によってホルモンバランスが急激に変化した事に加え、育児のストレスによって、自律神経がアンバランスになっているとの事。

 

出産後にホルモンバランスが変化することはよく知られており、それが自律神経失調症の原因となることも少なくありません。また、育児による疲れ不眠睡眠時間の乱れなども大きなストレス要因となりますので、俗に言うマタニティブルーの時期を過ぎても精神症状神経症状が続く場合には、専門医による治療が必要になります。

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